穂高電子(株)新設部門「パワエレソリューション課」の取組について

掲載日:2020.7.30

50年以上に渡り、商社として技術立国である日本の発展に寄与してきた穂高電子株式会社。現在では全国に9拠点、海外に2拠点と幅広く展開しています。今回は穂高電子株式会社が新設した新たな部署「パワエレソリューション課」の取組について同課課長の滝沢雅之氏にWEB会議システムでお話しを伺いました。

 

01穂高電子の会社概要について

 

まず初めに穂高電子株式会社の概要をお聞かせください


私たち穂高電子は1967年に横浜で設立された電子計測器販売商社です。

電流、電圧測定器、周波数測定器、騒音・振動測定器、環境試験機、赤外線サーモグラフィ等を取り扱い電機製品製造メーカ様や自動車メーカ様、大学、官公庁等幅広いお客様の課題解決に取り組んでまいりました。

現在では、東京、横浜、厚木、浜松、名古屋、三重、京都、大阪、岡山の国内9拠点、海外2拠点で多くのお客様にご愛顧いただいています。

 

海外拠点について教えていただけますか?


タイや中国などのアジア方面向けに商品を展開して10年以上が経過しています。主に日本メーカーが製造拠点を海外にシフトしていた時期に現地でも国内同様の品質とスピードで製品提供をする目的で海外進出をいたしました。

現在、タイと中国に海外拠点を設けています。

タイは経済の中心であるバンコクと南部のチョンブリにオフィスを展開、さらにインドネシア、マレーシアには協力会社がございます。中国では上海にオフィスを構えています。

 

どのような方針で営業活動をされているのでしょうか?


私たちは、常にお客様の視点に立ち、品質、安全、コスト、スピード対応をモットーに営業活動に取り組んでまいりました。

 

02 滝沢さんの経歴と

パワエレ専任部署新設について

 

滝沢さんの略歴をお聞かせいただけますか?


私は1987年に穂高電子に入社、横浜で電子計測器の営業マンとしてスタートをきりました。その後、入社して約5年経過した1992年、コンピュータソリューション関連の営業を担当しました。

 

1992年頃はどのような時代背景だったのでしょうか?


そうですね。当時は、マイクロソフト社のWindows3.1が発売された時期で電子計測器の分野でも急速にコンピュータとの連携が進んだ時期でした。

 

なるほど、そういった時代背景の中で現在の仕事につながる仕事に関わりをもったということですね?


そのとおりです。その後、1998年の関西営業所転勤、2006年の名古屋営業所転勤等により様々なお客様と仕事をし、多くの経験を積むことができました。

また、2000年には、今回新設した「パワエレソリューション課」の主力製品である国産リアルタイムシミュレータを開発する「ディエスピーテクノロジ株式会社」と出会い、主にモータ開発におけるリアルタイムシミュレータ分野において協力体制を築いてまいりました。

 

そのような歴史を重ねてきた中で、今回のタイミングでパワエレソリューション課を新設したのはどのような経緯からだったのでしょうか?


穂高電子は10年以上前からディエスピーテクノロジ社と協力してMATLAB®リアルタイムシュミレータの販売に取り組んでまいりました。

これまで自動車メーカ様や各部品サプライヤ様、家電メーカ様において多くの納入実績を積み重ねてきました。

このような中、昨今のハイブリッドカーやEV電気自動車の普及に伴い、MATLAB、JMAG、シミュレータ市場のニーズがますます高まりをみせてきました。

同時にモータ開発をはじめとするパワーエレクトロニクス関連の研究開発は、ますます高度化、高速化し、MATLAB®リアルタイムシミュレータを販売する私たち側にも豊富な経験、知識が求められるようになってきました。

お客様側ニーズの高まりと専門性という観点から、当社ではMATLABリアルタイムシミュレータ分野の経験知識が豊富なメンバーを選抜し、この分野の専任部署として「パワエレソリューション課」を新設した次第です。

 

03 主力製品

 

パワエレソリューション課の主力製品について、わかりやすく教えていただけますか?


私たちの主力製品「MATLAB®リアルタイムシミュレータ」は、主に以下4つの製品により構成されています。

  • MATLAB®(米・MATHWORKS社)
  • Simulink®(米・MATHWORKS社)
  • JMAG(日本・JSOL社)
  • リアルタイムシミュレータ(日本・ディエスピー・テクノロジ社)

MATLAB® / Simulink® / JMAG / RTSimの詳細はこちら

*パワエレクトロニクスソリューションの詳細はこちら

 

それでは個々の製品の概略、機能を教えていただきます。まずMATLAB®とはどのような製品ですか?


MATLAB®は、米国MATHWORKS社の製品です。信号処理や通信、画像および動画の処理、制御システム、テストおよび計測、金融工学、情報生命科学など、広範な領域に適用可能な技術計算言語です。さまざまな産業および教育機関の 100 万人以上のエンジニアや科学者がMATLAB®を技術計算言語として活用しています。

 

Simulink®とはどのような製品ですか?


米国MATHWORKS社のSimulink®は制御用のソフトウェアでMATLAB®上で動作しMATLAB®をGUI化するソフトウェアです。

各種ツールボックス、ブロックライブラリ(関数のようなもの)が充実していて開発生産性を飛躍的に向上することが可能です。

マルチドメインシミュレーションとモデルベースデザインのためのブロック線図環境、システムレベル設計とシミュレーション、自動コード生成、組み込みシステムのテストと検証の繰り返し作業をサポートしています。

 

JMAGとはどのような製品ですか?


日本のJSOL社のJMAGはMATLAB®、Simulink®と連携してソフトウェア上でモータ設計を可能とする磁場解析アプリケーションです。

機器内部の複雑な物理現象を正確にとらえ、高速に分析可能です。解析経験の少ない方にも熟練者にも使いやすく、少ない操作で迷わず確実に結果を得ることができます。強力な解析機能が設計・開発に新しい価値を創造します。モータ設計で高い実績を持つJMAGが、JMAG-RTにより設計・開発に新しい価値を創造します。

 

リアルタイムシミュレータとはどのような製品ですか?


リアルタイムシミュレータとは、MATLAB®/Simulink® などで作成したモデルを実装してシミュレーションを行うことができ、あたかも実機が接続されているかのようなコントローラのデバッグ環境を実時間で実行可能です。また、実機設備では条件設定や再現が難しい環境下でのデバッグも容易に行うことができます。

私たちは日本のディエスピーテクノロジ社のリアルタイムシミュレータであるHILS(Hardware-In-the Loop-Simulation)やRapid Control Prototypeともよばれるモデルベース開発ツールを販売しています。

HILSは、ソフトウェアではなくハードウェア製品であり、この中にJMAGを実装することによりハードウェア上に仮想モータを生成しシミュレーションが可能となります。

併せてハンドルやギア等のデバイスも含めたシミュレーションも可能です。

 

これらの製品群を組み合わせることで具体的にどういう活用の場面があるのでしょうか?


あたかも実機モータが繋がっているかのようにコントローラのデバッグを実時間で行う事が可能となり、開発期間短縮、工数削減、コスト低減、不安解消にお役立ていただけます。

04 優位性、取組、今後の抱負

穂高電子の提案するリアルタイムシミュレータの特徴や他社との差別化ポイントは?


私たちが提案するディエスピーテクノロジ社のリアルタイムシミュレータは国産であり、海外製品では難しい、国産ならではのきめ細かい対応、サポート、サービスをご提供可能です。

 

海外製品導入時に起こりがちな「製品を導入したがサポートが不十分で上手く活用できない」という心配は不要です。

ご検討段階、導入前、導入時、導入後の各フェーズにおいて圧倒的なサポート支援体制を提供いたします。また海外製品では困難な導入決定前の検証作業にも対応可能です。

機能面においても圧倒的な優位性を持ちます。ディエスピーテクノロジ社のリアルタイムシミュレータは、唯一の高速モータ対応リアルタイムシミュレータであり数万回転以上のシミュレーションが可能であることが特徴です。

モータ信号発生器(モータHILS)は、LdLq対応、空間高調波対応の為、高精度モータを模擬可能です。

すでに多くの自動車メーカ様、家電メーカ様で導入実績があり、お客様から高い評価をいただいております。

当社が自信をもって提案するリアルタイムシミュレータを、より多くのお客様に知っていただくために各種セミナーや展示会も開催しております。

 

セミナー、展示会について教えてください。


毎年「パワエレソリューションセミナー」と題して、学術分野をリードする著名な研究者をお招きしてモータ設計開発における最新の技術動向の背景と展望を解説いただいています。

更にリアルタイム・シミュレータRTSimを高速コントローラやモータシミュレータとして使用した最先端のモータ制御の研究・開発事例をご紹介するセミナーを実施させていただいております。

また 実際にパソコンを操作していただき、MATLAB®、JMAGリアルタイムシミュレータを体験してただくセミナーも実施しております。

MATLAB EXPO、JMAGユーザ会においてはディエスピーテクノロジ社のブースにて出展させて頂いております。

 

販売方法についても工夫されているとのことですが具体的にはどのような工夫をされているのでしょうか?


設備予算が確保できなかったお客様、予算を消化してしまったお客様にはレンタル、リースを活用した導入をお勧めしています。

MATLAB®、JMAGのリセラーであり、ライセンスの単体販売もしております。

 

最後に今後の豊富をお聞かせください


新型コロナウィルス感染症により、お客様の設備予算が厳しい状況ですが、リアルタイムシミュレータ導入による工数削減、コスト低減をご提案しピンチをチャンスに変えてビジネス展開してまいります。

従来からお取引頂いている計測器メーカー様、電源メーカー様とジョイントしたシステム提案やお客様別のWEBセミナー開催に注力し、少しでも多くのお客様に当社ソリューションを知っていただきたいと考えています。

ちなみに今年の「パワエレソリューションセミナー」は2020年11月頃にWeb会議システム「ZOOM」を活用してオンライン形式での開催を計画中です。

場所にとらわれることなくオフィスや在宅ワークからもご受講いただけますので今まで参加を見送られていた遠方のお客様にもご活用いただければ幸いです。(本セミナーの開催案内は弊社ホームページで発表予定です。)

 

本日はありがとうございました。

 

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