温度を測定するのに必要な温度センサには熱電対、測温抵抗体などがあります。特に熱電対はTやKなど測定したい温度に適したタイプがいろいろあり、測定したい箇所や対象物により様々な形状のものが用意されています。表面や形状に合わせたものや、内部を測定したい場合や生産ラインの検査工程に組み込めるようにしたものなど多彩です。既存の製品が多いですが、特注で対応したものもあるため、お気軽にご相談ください。
センシング
センサーは、温度や気圧、圧力などを測定するもので、すでに人々の生活で広く使われています。今後の社会でも自動運転自動車やロボットなどに多くのセンサーが搭載されるなど、生活に欠かせないものといえるでしょう。そんなセンサーを使ったセンシングについて、種類、メリット、活用事例、よくある質問など、わかりやすくご紹介しています。製品の選定にお役立てください。
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センシングとは
まずはセンシングとはどのようなものなのかについて解説します。
性質、空間、時間の情報を検出、数値化
センシングとはセンサーを用い、自然現象や物体の性質、空間情報、時間情報を検出したり数値化したりすることを指します。
世の中の性質や情報はすべてが人にわかりやすい形で存在しているわけではありません。たとえば温度はなんとなく暑い、寒いはわかりますが、正確な温度を人体で検出するのは難しいでしょう。
そこで熱電対や測温抵抗体といった温度センサーを用いることで温度を人にとってわかりやすい形に変換します。
また、人以外に電気機器や電子機器が読み取れる形に置き換えることもあります。たとえばエアコンは温度センサーを内蔵しており、それによって検出された温度と設定温度を比べることで動作を決定しているのです。
多岐にわたるセンシング技術
センシングによって検出できる情報は多岐にわたります。人々の日常生活に使われているものの一例を挙げるだけで下記の通りです:
- 温度/湿度
- 気圧
- 速度/加速度
- 電波/磁気
- 光/赤外線
- 画像
- 電流/電圧
- 圧力
- ガス
- レーザー
- 位置情報
- 血糖値
- 脈拍
もはや人の生活にとってセンシング技術はなくてはならないものといえるでしょう。
小型かつ低消費電力になりIoT機器に組み込まれるセンシング技術
センシング技術は日々発展を続けており、小型化、低消費電力化、高速化が進んでいます。
たとえば体温計について考えると、以前は水銀を使ってアナログ式に測定していたものが、電子式に代わりました。さらに、最近では赤外線を利用して一瞬で体温を測定可能になっています。
このように小型化、低消費電力化、高速化が進むことにより、センサーがIoT機器に多く搭載されるようになりました。
この分野で注目されているのが農業です。たとえばハウス内の温度や湿度を管理しようと思うと、以前は直接人が現地に赴いて温度計や湿度計をチェックしなくてはなりませんでしたが、IoT機器を使えばどこからでもチェック可能であり、閾値を超えたら自動的に通知を出すこともできます。
ほかにも人の生活のありとあらゆるところにセンシング技術が活用されており、IoTと先進技術の組み合わせにより今後さらに便利な生活を送れるようになるでしょう。
複数のセンサー情報を利用するセンサーフュージョン
センサーはそれぞれ独立に利用することもできますが、複数のセンサー情報を統合して利用することもできます。
その代表例が自動運転自動車です。自動運転自動車は事故を起こさず、確実に目的地にたどり着くためにさまざまなセンサーを利用します:
- カメラ
- レーダー
- 超音波
- レーザー
たとえばレーザーは物体が存在する距離を正確に測定できますが、その物体が何なのかを判別することはできません。一方、カメラで画像を取得することにより何があるのかを判定できますが、それがどれくらいの距離にあるのか精度よく判定するのは難しいです。
そこでレーザーとカメラを組み合わせることで、物体の距離およびそれが何なのかを正確に把握できます。
また、レーダーは物体の動く速度を検出しやすいため、これを組み合わせることでその物体が将来どのように動くか判定でき、安全な運転へとつなげられるでしょう。
自動運転自動車以外にもロボットやドローンなど、今後もセンサーフュージョンの技術は発展していくものと考えられます。
センシングの種類
世の中にはさまざまなセンサーが存在しますが、その代表的なものを解説します。
温度センサー
温度センサーは空気を含む物体の温度を測定するためのものです。原始的なものとしては水銀やアルコールの熱による収縮が利用されていましたが、現在では温度を電気信号に変換するものが多く使われています。
測温抵抗体
測温抵抗体は、金属や金属酸化物が温度変化に対して抵抗値が変化する性質を利用して温度を測定するセンサーです。
JIS-C1604で規格化されていることからメーカー間の互換性が高く、精度も高いことから広く使われています。
特に低温の測定に強いという特徴を持ちますが、一方で高温の測定には向いていません。
熱電対
熱電対は2つの異なる種類の金属を接続し、それらの間に温度差を生じさせたときに発生する熱起電力を利用して温度を計測するセンサーです。
測温抵抗体と並んでよく使われており、安価かつ信頼性が高いのが特徴です。
また、測温抵抗体が苦手とする高温の測定も可能ですが、精度は測温抵抗体に劣ります。
放射温度計
放射温度計は、物体が放射する赤外線を測定することで温度を計測するセンサーです。
物体は温度が高ければ高いほど赤外線を多く発するため、赤外線センサーを使って測定すれば温度を予測できます。
非接触で使えるのがメリットですが、物体によって赤外線の放射率が異なるため温度に変化する際に物体に応じた補正をおこなわなくてはなりません。
圧力センサー
圧力センサーは物体にかかる力の大きさを測定するためのものです。身近なものでは体重計などに使われています。
ひずみゲージ
ひずみゲージは金属を伸縮させると抵抗値が増減することを利用して力の大きさを計測するセンサーです。
構造が簡単かつ小型軽量なのが特徴で、力が急激に変化しても追随できる特性を持っています。また、測定結果は抵抗値(電圧、電流)なので、その後のデータ処理も容易です。
欠点としては、応力、温度、配線長、貼り付け角度など、精度がさまざまな要因によって代わることが挙げられます。
また、一定の温度と一定の力が加わっていると時間とともにひずみが増えるクリープ現象の発生も問題です。
圧電式圧力センサー
圧電式圧力センサーは、圧力を加えると電荷が発生する水晶を利用して測定するセンサーです。
圧力変化に対して素早く追随し、低消費電力で耐久性に優れ、高温にも耐えられる点が特徴です。
ただ、圧力以外に振動や加速度変化に対しても敏感に反応するため、用途が限られています。
半導体圧力センサー
半導体圧力センサーは、半導体を用いて圧力を計測するセンサーです。
ピエゾ抵抗型、静電容量型、シリコンレゾナント型などさまざまな方式があります。
最も広く使われているのはピエゾ抵抗型で、圧力による変形で電気抵抗が変化することを利用して温度を測定します。
光学式圧力センサー
光学方式では、干渉計を利用して光ファイバーの圧力変化を測定します。
電気や磁気を利用しないため、放射線撮影装置など電気や磁気が多く発生する環境でも利用可能です。
また、小型かつ柔軟性がある点もメリットです。
ただ、耐久性に欠けたり、音や機械による振動に影響を受けやすかったりといったデメリットがあります。
静電容量式圧力センサー
静電容量方式圧力センサーは2枚の電極を用意し、圧力変化によってその間隔が変化し、静電容量が変化することを利用するセンサーです。
高感度かつ微少な圧力変化を測定できますが、材料やシーリングなどの制約があり用途が限定されます。
磁気センサー
磁気センサーは磁界の大きさを計測するためのもので、磁気スイッチなどに利用されています。
コイル
磁気を測定する最も古典的な方法がコイルです。
コイルに磁石を近づけると誘導電流が発生することを利用しており、単純な構造のため耐久性が高いのが特徴です。
ただ、磁界の変化速度に応じて電流が発生するため、磁界に変化がない場合は使用できません。
リードスイッチ
リードスイッチはガラス管のなかに磁性体を2枚入れておき、磁界がかかることによってそれが引き寄せられることで接触することを利用したセンサーです。
磁界がかかると導電状態になるため、そのままスイッチとして利用できます。電気が一切必要ないところもメリットで、電源確保が難しいところでも利用可能です。
ホール素子
ホール素子はホール効果を利用して磁気を測定するセンサーです。
電流が流れている物体に対して垂直に磁場をかけると、それらに直交する方向に電圧が発生する現象を利用しています。
磁界に変化がなくても利用できるため、非接触スイッチなどさまざまな場面で使われています。
磁気抵抗素子(MR)
磁気抵抗素子は、磁気が加わると抵抗値が変化する物質を利用して磁場を検出するセンサーです。
半導体を使ったもの、強磁性体薄膜材料を使ったもの、巨大磁気抵抗氏を使ったもの、トンネル磁気抵抗素子を使ったものがあります。
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センシングのメリット
マイクロプロセッサ応用機器を導入するメリットを解説します。
マイクロプロセッサ搭載機器の開発効率が向上する
マイクロプロセッサ応用機器を導入することで、マイクロプロセッサを搭載した製品の開発効率が向上します。
インサーキットエミュレータやロジックアナライザはシンプルなものであっても動作解析を簡単におこなえるため、動作不良や機能の改善に役立つでしょう。
さらに有線LANや無線LAN経由でのリモートデバッグに対応したインサーキットエミュレータを利用すれば現場に行かなくても解析ができますし、バス解析機能を備えたロジックアナライザを利用すれば手計算で通信内容を解析するよりも早く正確です。
高機能なマイクロプロセッサ応用機器は高価ですが、費用対効果を考えると安いといえるかもしれません。
設置場所を節約できる
マイクロプロセッサの動作解析をおこなう実験室は、PC、プログラマ、インサーキットエミュレータ、ロジックアナライザ、オシロスコープなど場所を取るものであふれています。
そこで、たとえばオシロスコープ機能を備えたロジックアナライザを導入すれば2つの機器を1つにまとめられますし、複数のマイクロプロセッサに対応したインサーキットエミュレータを導入すれば機器ごとの使い分けが不要になるでしょう。
整理された実験室で作業をおこなえば、開発効率向上にもつながるかもしれません。
生産効率が向上する
高機能なマイクロプロセッサ応用機器を導入すれば、生産効率の向上も図れます。
多面取り基板への同時書き込みに対応したプログラマを使えば時短につながりますし、自動プログラミングシステムならさらに必要な人手を減らすことが可能です。
遠隔操作が可能なインサーキットエミュレータの利用も、顧客サポートの工数を減らし、生産効率や開発効率のための時間の確保につながります。
活用事例
- 様々な種類の温度センサ
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- 手や指などの感触をデータ化
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いわゆる「さわり心地」というものは、同じものでも人によって変わってきます。「さわり心地」を出荷前の検査工程でチェックしなければならない場合や、研究・開発部門で評価したい場合、人が行うと違った結果になってしまうことがあります。そこで、圧力センサを応用したセンサで数値化すれば、一定基準で評価可能です。指先が感じる振動や、柔らかさ、靴などで必須の足が感じる衝撃度など様々な感触を数値化できる技術があるため、ご相談ください。
- 環境測定に様々なセンサを活用
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昨今、新型コロナウイルスの感染予防に対して部屋の換気が重要視されており、これを監視するために様々なセンサがあります。元々は、実験室や工場内の換気の悪い密閉空間を改善するために開発されたもので、酸素濃度計や二酸化炭素濃度計などが代表的です。センサと測定器が一体化しているため取り扱いが簡単で、アラーム機能で知らせたり、出力信号で改善されるための機器を動作させたりすることができます。決められた期間でのトレンドを表示したり保存できたりもするため、環境管理にも適しています。
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質問集
- 小型の力覚センサはありませんか
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20mm角、厚さ5mmという世界最小クラスの小型3軸力覚センサがあります。力覚センサ固有の干渉補正係数を算出することで、高精度な3分力の計測が可能です。質量も7g以下なので、ロボット開発やスポーツ用具、福祉機器などに応用されています。
- 発汗量を測定したい
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皮膚を覆ったカプセルへ空気を供給することで、空気が皮膚を通過する前後の湿度差で発汗量を測定する機器があります。精神性の微量の発汗から運動による多量の発汗まで幅広く計測可能です。生理学基礎研究、スポーツ・運動、心理学分野、入浴剤制汗剤の評価や被服、寝具等の快適性評価などで採用されています。
- 金属を使用できない環境下で温度計測したい
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金属が使用できない場合には、蛍光式光ファイバー温度計で計測可能です。熱電対やPt、サーミスタなどの金属を使用した電気式温度計では計測困難であった環境下でも、自己発熱やノイズなどの影響を受けずに温度計測ができます。
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