電子デバイス

電子デバイス

電子デバイスとは、半導体とディスプレイデバイスをあわせた製品分野のことを指します。特に半導体は電気を使ったあらゆる製品に搭載されており、現代的な生活を営むのに欠かせないものです。本ページでは半導体製品を中心に電子デバイスとは何か、種類、メリット、活用事例、よくある質問などわかりやすくご紹介しているため製品の選定にお役立てください。

電子デバイスとは

まずはセンシングとはどのようなものなのかについて解説します。

半導体とディスプレイデバイスをあわせた製品分野

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は電子デバイスについて、半導体とディスプレイデバイスをあわせた製品分野のことと定義しています。

身近なところではスマートフォンを構成している主要な部品はすべて電子デバイスであるといえるでしょう。

電子デバイスとよく似た製品分野に電子部品がありますが、こちらはコンデンサ、抵抗器、コイル、トランスなど受動部品、スイッチ、コネクタなどの接続部品、音響部品やセンサ、アクチュエータなどの変換部品などのことを指しています。

半導体とは

半導体とはその名のとおり、電気を通しやすい導体と、電気を通しにくい絶縁体の中間の性質を備えたものを指します。

これだけだと役に立たないもののように感じますが、半導体には作り方によって電気を通す/通さないを自由に制御できるところがポイントです。

この仕組みを用いることで電子的な判断や計算などが可能になり、パソコンやスマートフォンなど人の生活を豊かにする製品を作れます。

半導体の歴史

半導体の登場以前は、同じく電気を通す/通さないを自由に制御できる真空管が用いられていました。

しかしながら、真空管には物理的なサイズが大きく、消費電力や発熱が大きいという問題がありました。このため、今では考えられないような低性能なコンピュータを実現するのにも建物が一杯になるほどのサイズが必要でした。

これに対し、半導体には消費電力が少なく小型という特徴があります。アメリカで半導体を用いて作られたトランジスタが1940年代に発明され、1959年に複数のトランジスタやコンデンサなどを集積したICが発明されると急速に置き換わり、今ではほぼすべてのコンピュータが半導体を用いて作られているといっても過言ではありません。

アナログ的な処理も可能な半導体

高速な計算が可能なことで知られる半導体ですが、そのようなデジタル的な処理だけでなくアナログ的な処理も可能です。

信号の増幅、検出、測定などができ、たとえば温度を測定するためのセンサも半導体を用いて作れます。

また、従来はアナログ回路を自社で設計しなくてはいけなかったような機能も、半導体にすでに組み込まれている機能を用いれば容易に実現可能です。

電子デバイスの種類

ここでは電子デバイスのなかでも半導体に絞ってその種類をご紹介します。

ディスクリート半導体

ディスクリート半導体とは、1つの素子が単独の機能を持つもののことを指します。

代表的な製品がダイオードやトランジスタです。ダイオードは電気を一方向にしか流さない部品のことであり、交流電流のなかから順方向の電流のみ取り出したり、検波に用いたり、電圧制御や電流変換に用いたりできます。

身近なところではLED(発光ダイオード)もダイオードの一種です。ダイオードは電気を光に変換する部品であり、逆に光を電気に変換するフォトダイオードも存在しデジタルカメラなどに使われています。

トランジスタは2種類のダイオードを接合したもので、信号増幅や回路のスイッチングが可能です。

また、サイリスタと呼ばれる大電流を扱う電子デバイスもディスクリート半導体の一種です。

パワー半導体

電気自動車など大きな電力を必要とする製品で注目されているのがパワー半導体です。

通常の半導体よりも大きな電力を扱える半導体であり、交流を直流にしたり、交流の周波数を変換したり、電圧を変化させたり、直流を交流にしたりできます。

これらの動作時に無駄になる電力が少ないのが特徴で、太陽電池や各種家電でも利用されるなど、これからの脱炭素社会に欠かせない存在といえるでしょう。

集積回路(IC)、大規模集積回路(LSI)

集積回路(IC)はトランジスタやコンデンサといった複数の素子を1つのチップ上に集積したものです。特に多くの素子を集積したものを大規模集積回路(LSI)と呼ぶこともありますが、最近ではICとLSIの明確な使い分けはなされていません。

ICやLSIは、トランジスタやコンデンサなどを基板上に並べるのに比べ、小型化できるのが特徴です。たとえばiPhone 14 Proシリーズに使われているA16 BionicというLSIには160億個ものトランジスタが集積されているといわれています。

また、信号が伝わる速度を高速にすることも可能で、それにより高速な処理が実現できます。たとえばA16 Bionicに搭載された高速CPUの動作周波数は3.46GHz(1秒間に346億回信号が変化)です。

ICやLSIは計算をおこなう以外に情報を記憶する用途にも使われます。たとえばUSBメモリに使われているのはフラッシュメモリと呼ばれる半導体です。

FPGA、PLD

一般的な半導体製品は機能が固定された形で実装されており、設計時に想定された使い方以外の用途に利用できません。

これに対し、FPGAやPLDは後から半導体の動作を変更できる特徴がある製品です。状況や場面に応じて半導体が処理できる内容を変化させたり、製品リリース後に機能を改善したりできます。

アナログIC

アナログICとはその名のとおり、デジタルではなくアナログ的な処理をおこなうための半導体集積回路です。

このなかには電気信号を増幅するためのオペアンプIC、信号を比較するためのコンパレータIC、アナログ信号とデジタル信号を変換するA/DコンバータICやD/AコンバータIC、電源用ICといったものが含まれます。

たとえばオペアンプICは音楽再生用のアンプに用いられます。小型かつ安価に製造できるのが特徴で、音楽をより身近なものにしました。

また、温度/湿度センサなどのモニタリング用センサも半導体化されており、農業用のIoT機器などに利用されています。

電子デバイスのメリット

電子デバイスのなかでも、半導体製品を導入するメリットを解説します。

製品を小型化できる

半導体製品最大の特徴は、製品が非常に小型である点です。

たとえば先述のiPhone 14 Proに搭載されているA16 Bionicには約160億個のトランジスタが搭載されていますが、これを真空管などで構成した場合、持ち運べないスマートフォンになるでしょう。

また、1つの半導体製品のなかにさまざまな機能を入れられるのもメリットで、LSI1つで製品に必要とされるすべての機能がまかなえるシステム・オン・チップ(SoC)と呼ばれる分野もあります。

消費電力を抑えられる

半導体には消費電力が小さいという特徴もあります。

たとえば真空管で構成されたコンピュータであるENIACは約150KWの電力を必要としていました。その演算性能はわずか毎秒5,000演算です。

これに対し、最近のスマートフォンに使われる半導体の消費電力は10W未満で、演算能力はENIACとは比べものにならないほど高いものとなっています。

エネルギー消費量を減らすのに半導体製品は不可欠といえるでしょう。

ノウハウがなくても機能を実装できる

従来、基板上に電子部品を個々に配置して所望の機能を実装するにはノウハウが必要でした。

特に高速な電気信号を扱う際には信号間の干渉などに配慮する必要があり、一朝一夕で作れるものではありません。

半導体製品のなかにはアナログとデジタルの両方を含むさまざまな機能が備わっているものがあります。それらの間の配線や配置は半導体チップのなかで完結しており、製品設計者が配慮する必要がありません。

半導体メーカー自体がリファレンス基板やソフトウェアを用意していることもあり、この場合はさらに製品開発が簡略化できるでしょう。

活用事例

必要な機能・性能を提供するカスタムデバイス

カスタムデバイス製品は、ご要求を基に、回路設計・部品調達・サンプル試作・量産を行います。また、高品位な設計力と製造品質により、トータルコスト低減や省力化に貢献します。部品点数を削減したい、アナログ回路設計者がいない、製品を小型化したい、製造中止部品を周辺を含めて部品化したいなど様々なご要求にお応えします。

フィルタ

アナログ信号処理において、アンチエイリアスやノイズ除去などに使用されるフィルタをモジュール化しました。豊富な種類の中から、必要な特性が選択できるだけでなく、用途に応じたカスタマイズ(チェビシェフ・ベッセルなどの特性、高次フィルタ、周波数の指定など)にも対応可能です。

質問集

信号を発生できるモジュールはありますか?

広範囲な周波数で高確度・高安定の信号生成が可能なセンセサイザモジュール、外付け抵抗で発振周波数を設定できる抵抗同調発振器、高安定度の疑似ランダムバイナリ信号を発生させるノイズジェネレータなどがあります。

位相検波器はありますか?

周波数範囲100Hz~2MHzを3つのタイプでカバーしているオンボード位相検波器があります。信号系は位相検波器(PSD, Phase Sensitive Detector)、入力増幅器、ローパスフィルタ(LPF)、出力増幅器で構成されています。別売のベクトル検波ボードで、直交位相検波の結果から入力信号の参照信号と同期した成分の振幅と位相を算出し、アナログ電圧として出力できます。雑音除去能力を兼備するため、ノイズが重畳した信号から位相や振幅を検出可能です。

容量測定ができるモジュールはありますか?

入力に接続した被測定物の静電容量に比例した電圧を出力するC/V コンバータで、微小容量の検出が行える計測モジュールがあります。測定環境、測定対象、組込み仕様に応じてカスタマイズ可能です。

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