直径100mm、重量200mgの球体センサーに、1つの小型カメラと16個の小型マイクロホンとが内蔵された、小型で可搬性に優れた音響カメラがあります。市販の乾電池(単3×4本)で動作するため、電源コンセントが無い現場で手軽に音の可視化が可能です。また、電源ユニットを兼ねたプロセッサユニットとは1本のUSBケーブルで接続され、タブレットPCとプロセッサユニット間は無線LAN通信されるため、計測現場において煩わしいケーブル取り回しから解放されます。
騒音・振動測定機器
機械が動作する際に避けられない騒音や振動ですが、あまりにも大きいと利用者が不快に感じます。また、その裏には製品の不具合が隠れている可能性があり、詳細な解析が欠かせません。そんなときに役立つのが騒音・振動測定機器です。本ページでは騒音・振動測定機器とは何か、種類、メリット、活用事例、よくある質問などわかりやすくご紹介しているため製品の選定にお役立てください。
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騒音・振動測定機器とは
まずは騒音・振動測定機器がどのようなものなのか解説します。
音を解析する騒音測定機器
騒音測定機器は音を解析するための装置です。
単純な騒音レベルの測定はもちろん、周波数分析や録音が可能な機器も存在します。さらに音がどこから出ているのか解析できる製品を使えば発生源の特定と対策が容易になるでしょう。
音を「可視化」できる測定機器も
一般的に音は耳で聞くものですが、音を可視化できる測定機器も存在しています。
このような機器はカメラ映像に対して音の大きさをマッピングした形で表示でき、それを見れば騒音の発生源が一目瞭然です。
さらにリアルタイムに音の大きさをマッピングする機能を使えば音の時間変化の特性が把握でき、より効率的な対策につなげられるでしょう。
振動を解析する振動測定機器
振動測定機器は機械や自動車などの振動を解析するための装置です。
動作時に異常な振動が発生したときに利用することで、振動の周波数解析などが可能になり、発生源の特定に役立ちます。
さらに、動作中の機械や自動車に取り付けることで、故障の予兆を察知することも可能。人間では気づかない変化を発見したり、検査のためのコストを下げたりすることが可能です。
振動をわざと加えて安全性を検証
振動測定機器のなかには、一定の振動をわざと加えて安全性を検証するための装置が存在します。
このような装置を使うことで、輸送中や実動作時の安全性が検証可能です。
騒音・振動測定機器の種類
騒音・振動測定機器の種類を解説します。
アコースティックカメラ
アコースティックカメラとは、音を可視化して表示するための装置です。
装置には指向性の強いマイクが多数搭載されており、それぞれで検知された音を重ね合わせて表示します。
マイクとともにカメラを搭載している製品も多く、実際の光景に音の大きさを重ね合わせ、よりわかりやすい形で表示可能です。
アコースティックカメラはたとえば、自動車や電車などの異音の原因解析に役立ちます。アコースティックカメラで音が強く検知された場所に原因が存在するため、ピンポイントで対策が可能になるでしょう。
ほかにもコンサートホールの響きを調整するのにも役立つなど、さまざまな用途で活用可能です。
最近では多数のマイクを必要とせず、4本のマイクだけで音を可視化できるアコースティックカメラも開発されており、アコースティックカメラシステムの小型化に寄与しています。
超小型マイク
騒音測定機器の定番といえばマイクですが、マイクそのものが音に影響を与える可能性があります。特に性能の良い大型マイクは影響が大きく、微細な音の測定に影響を与える可能性が否定できません。
また、製品内部の音の測定や小型製品の測定など、大型のマイクが利用できない場面も存在します。また、多点同時測定をおこないたくても設置スペースがないということもあるかもしれません。
そんなときに役立つのが超小型マイクです。センサー部の寸法が各方向1cm未満、重さ1g未満の製品もあり、これまで測定が困難だった場面でも利用できます。
非接触式振動測定装置
振動の測定は一般的に、振動するものにセンサーを取り付けておこないます。しかしながら、場合によってはセンサーの取り付けが難しかったり、センサーの取り付けによって振動の特性が変わってしまったりすることもあるでしょう。
また、医療機器など汚染が懸念される場面でも接触式は使えません。
そんなときに役立つのが非接触式の振動測定装置です。
一般的に移用されるレーザドップラ方式と呼ばれる方式では、測定対象物にレーザを当て、反射波の周波数変化から振動を測定します。
レーザ光を利用するため、測定対象の表面状態や色に左右されないのも特徴です。
3方向同時振動測定センサー
振動測定のセンサーは一般的に1方向のみの測定が可能ですが、なかには3方向の振動を同時に測定できるものがあります。
輸送中など実使用環境で発生する振動は一般的に1軸方向ではなく、3軸方向です。より現実に即した測定をおこなうことで、解析がより早く進むかもしれません。
本格的な解析ならFFTアナライザ
騒音や振動測定機器のなかには解析機能を備えたものが少なくありませんが、より本格的な解析をするなら単体のFFTアナライザがおすすめです。
高機能なFFTアナライザを使えばより微細な変化を捉えたり、多チャンネル同時解析が可能になったりします。
また、FFTアナライザのなかにはパソコンとの連携や電磁加振機を直接制御可能なものもあり、1台で幅広い用途に利用できるでしょう。
振動の常時監視システム
可動部がある機械にはそれぞれ特有の振動があります。その振動の変化を検知することで機械の摩耗や故障を予知でき、早期の対策が可能です。
そのような振動の変化を検知するために利用されるのが、振動の常時監視システムです。このシステムは振動を検知するセンサー、データの記録と解析用の機器およびソフトウェアから構成され、人間の手を患わせることなく24時間体制で監視できます。
データの記録と解析用の機器やソフトウェアには多チャンネル同時処理に対応したものがあり、複数地点の同時監視や、振動変化の相関性解析などが可能です。
持ち運びが容易な測定装置も
測定装置というと大きくて重く、実験室のなかに備え付けられているイメージがあるかもしれませんが、最近では小型で持ち運びが容易な製品が登場しています。
たとえばパソコンと連携することを前提とした騒音・振動測定機器であれば本体にディスプレイがいらず、その分本体を小型・軽量化できます。また、省電力動作可能なものであればUSB経由でパソコンから給電可能であり、電源の持ち運びも不要です。
ディスプレイが内蔵されている機器であっても、タッチパネルを搭載するなどしてボタン数を減らし、持ち運び可能にしているものがあります。
騒音の測定機器のなかには手のひらサイズの製品があり、手軽に現場まで持ち運んで騒音の測定が可能です。
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騒音・振動測定機器のメリット
騒音・振動測定機器を導入するメリットを解説します。
騒音・振動の発生源特定と対策の早期化
可動部が存在する製品には騒音と振動の発生が避けられません。しかしながら、過度な騒音や振動が存在すると利用者が不快に感じますし、場合によっては不具合によってそれらが発生している可能性があります。
騒音・振動測定機器を利用することでその発生源の特定や対策を早期に完了できるでしょう。
たとえばアコースティックカメラを利用すれば目には見えない音の発生源を可視化可能です。また、音の周波数をFFTアナライザなどで解析することで発生原因の特定や効率的な対策につなげられます。
振動に関しても同様に振動センサーやFFTアナライザを使って振動の特性を解析すれば、発生源や原因を早期に特定できるでしょう。
故障の予知と早期対策が可能
機械のなかには24時間稼働し、検査が難しいものがあります。また、検査が可能なものであっても、突然故障してしまうと対応に追われることになるでしょう。
機械が故障する前には、摩耗などによって騒音や振動が変わることがあります。これを捉えることで故障を予知し、早期の対策が可能です。
このような騒音や振動の常時監視システムの導入にはコストがかかりますが、故障する前に余裕を持って部品などの交換が可能になるため、長い目で見るとコストを抑えられるかもしれません。
サブスク形式の予知保全サービスも登場
故障する前に不具合が起こるタイミングを予知することを「予知保全」といいますが、最近は予知保全サービスをサブスクリプション形式で提供しているメーカーがあります。
このような予知保全サービスのなかにはIoTを利用し、振動の測定結果をメーカーのクラウドサービスにアップロードするものも存在。利用者に対しクラウド上で解析された異常診断レポートが定期的に届く仕組みです。
このようなシステムを自前で導入すると高いコストがかかりますが、サブスクリプション形式なら一時的な出費を抑えられるでしょう。また、クラウドを利用しているものなら、自社でシステムをメンテナンスする必要がありません。
活用事例
- 手のひらサイズの音響カメラであらゆる場所で誰でも簡単に音を可視化
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- MEMS素子搭載振動ピックアップを活用しCBM(予知保全)
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「CBM」とは、「必要と判断されたときにのみ、機械のメンテナンスを実施する」ことでセンサが機械の不具合を事前に察知してそのタイミングを示してくれる「予知保全」のことです。「定時メンテナンス」で機械部品を一斉に交換して無駄な工数やコストをかける、「機械が壊れてから慌てる」などの事象から解放される特徴があります。温度ドリフトに影響を受けない特殊回路で設計されたセンサを採用することで、振動を「簡単に」「正確に」「安価で」検出可能です。定期的に機械の状態を検出したデータをクラウドに上げ、それを異状診断レポートにしたうえで、希望される頻度でレポートをサブスクリプションにて提供するサービスもあります。
- レーザで無負荷・非接触の振動測定を実現
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レーザ光のドップラ・シフトを使用し非接触・無負荷で振動の速度振幅を検出可能な振動センサを活用すれば、接触型の振動センサでは困難な高速・透明・高周波・薄膜・微小物体の計測、非接触検出を実現できます。高感度カメラ(オプション)とセンサを一体化することにより、レーザ光の照射部位や対象物を感度低下なしに Windows PC に表示させて確認することもできます。用途としては、超音波ツールの振動計測や微小物体、薄膜振動の計測の他、 ガラス(透明体)越しの振動測定などがあります。
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質問集
- 超小型マイクロホンはありますか?
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4.7 (W) X 7.1 (D) X 3.3 (H) mmという、超小型マイクロホンがあります。これまで設置が難しかった空間にも音場への影響を与えず設置可能なほか、定電流駆動(CCLD)なためFFTアナライザなどに直接接続して使用できます。重量わずか0.3gと超軽量なため、両面テープで固定も可能です。CEマーキング、TEDSにも対応します。
- 周波数分析、録音、音のシミュレーションができる騒音計はありますか?
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騒音計には、オプションを加えることによって、サウンドレコーダや周波数分析器へ進化する製品があります。また、「リスニング機能」(標準機能)とオプションを組み合わせることで、録音を確実に行えたかどうかのチェックや音源探査、音のシミュレーションなどができるようになります。異音の音源探査、周波数分析、騒音測定、音の収録それぞれが1台で実施可能なため、測定作業の大幅な効率化を実現できます。
- 「どこでも、すぐに、簡単に」音響解析をしたいのですが、何かありますか?
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音響振動の現象をリアルタイム解析できるFFTアナライザのスピード感、データ比較や詳細解析の際の後処理解析ツールの分析力、両メリットを活かしたソフトウェアと、高精度なハードウェアで計測の難しさ、ミスへの恐れなどの、エンジニアのストレスを軽減するシステムが存在します。ノイズに強いアイソレーションの採用、小型軽量化、電池駆動、計測・解析をワンクリックで切り替え、データの素早い確認、外部コントロール機能で処理を自動化、といった精度の高い計測・解析を実現できます。
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騒音・振動測定機器 メーカー商品一覧
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