基地局の設置・保守用として、安全&安心かつ軽量で堅牢なボディーを誇るハンドヘルド・アナライザを活用してはいかがでしょうか。スペクトラム・アナライザやネットワーク・アナライザ以外にも、拡張機能(基本機能のケーブル/アンテナ・アナライザにスペクトラム・アナライザ、ネットワークアナライザを組み合わせた)を持つコンビネーションアナライザも存在します。高性能モデルに匹敵する性能をもつ、オプション機能を多彩にそろえた柔軟性も兼ね添えた製品もあります。
波形解析装置(アナライザ)
波形解析装置(アナライザ)は、電気信号、電波、音波などを測定し、その特徴を解析するための装置です。単に可視化するだけでなく解析の一部を担えることから、人の作業を支援したり、人では見落としてしまうような事象を検出できたりします。本ページでは波形解析装置(アナライザ)とは何か、種類、メリット、活用事例、よくある質問などわかりやすくご紹介していますので製品の選定にお役立てください。
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波形解析装置(アナライザ)とは
まずは波形解析装置(アナライザ)とはどのようなものか解説します。
電気信号や音などの波形を測定し解析する
波形解析装置(アナライザ)は、その名の通り波形を測定し解析するための装置です。
測定対象の波形には電気信号、電波、音波、振動などが含まれ、波形を目視できる形で表示したり、FFTにかけて周波数成分を分析したりできます。
測定可能な周波数は製品によって異なりますが、10GHzを超える周波数に対応したものもあり、衛星通信などの用途に利用可能なものも存在します。
波形解析装置(アナライザ)の歴史
機械の振動や音声、電気の波形などを目視したいという要求は昔からあり、古くは信号の強さによって針の示す位置が変わる「指針形計器」が使われていました。この針の先端にペンをつけ、紙を一定の速度で動かせば波形の時間的変化を記録できます。
しかしながら、この装置は反応速度が遅く、測定できる波形の種類には限界がありました。
そこで開発されたのが電磁オシログラフです。これはペンの代わりに鏡を用い、信号の強さによって鏡の角度が変わるというものです。感光紙を使えば波形の時間変化を記録できます。
針やペンに比べて鏡は軽く、比較的速い波形の変化にも追随可能です。
その後、陰極線管(CRT)を使ったアナログオシロスコープが開発され、さらには半導体技術の発達で高速A-D変換が可能となり、デジタル方式の装置が登場しています。デジタル方式の場合、測定結果をデータとして扱えるため、パソコンなどでの解析が容易になりました。
最近では解析機能が備わった波形解析装置(アナライザ)が広く利用されています。
波形解析装置(アナライザ)の種類
波形解析装置(アナライザ)の種類を解説します。
オシロスコープ
オシロスコープは、電気信号の時間変化を測定するための装置です。内蔵されたディスプレイの縦軸に電圧や電流を、横軸に時間を取ったグラフを表示します。
初期のオシロスコープは測定された電圧や電流などの信号をブラウン管の電子ビームに同期させ、それをブラウン管のスクリーンに衝突させることで波形を描画していました。
2022年現在では、測定した信号をA-D変換器でデジタル化し、プロセッサで処理して表示するデジタルオシロスコープが主流となっています。
また、高速演算可能なCPUを搭載し、FFTによる解析や、通信プロトコルを直接解析できる機能がついたものが登場するなど、今後も高機能化が進みそうです。
スペクトラムアナライザ
スペクトラムアナライザは、信号に含まれる周波数成分の分布であるスペクトラムを解析し表示する装置です。
オシロスコープとの違いは、オシロスコープが一般的に横軸に時間を取っているのに対し、スペクトラムアナライザは周波数を取っている点にあります。
これは、オシロスコープが信号強度の変化を測定するものであるのに対し、スペクトラムアナライザは周波数の分布を測定するためのものだからです。
たとえば無線通信や電子部品から出るノイズ解析にはスペクトラムアナライザが欠かせません。
強力な解析機能がついているスペクトラムアナライザなら、信号解析の工数を削減できるでしょう。
近年、オシロスコープにスペクトラムアナライザの機能を統合し、1台でさまざまな解析ができる製品も存在します。
また、シグナルアナライザと呼ばれる、スペクトラムアナライザのなかでも変調信号の解析に特化したものもあり、無線通信の分野で有益な存在です。
ユニバーサルカウンタ
ユニバーサルカウンタは時間と周波数を測定するための装置です。
「カウンタ」といっても単に信号がしきい値を超えた回数をカウントするだけでなく、信号の周期、デューティ比、パルス幅、タイムインターバル、2つの信号の周波数比、位相などさまざまな測定ができます。
解析機能としては信号の比較、統計演算機能が搭載されている製品が存在し、さまざまな用途に応用可能です。
周波数特性分析器
周波数特性分析器はFRA(Frequency Response Analyzer)とも呼ばれる、入力した正弦波信号に対する周波数特性を求めるための装置です。
正弦波を発生させる装置とフーリエ演算をおこなう装置が内蔵されており、周波数を次々に変えながら測定をおこないます。いわば、発信器と電圧計や位相計を使っておこなう測定を自動的におこなうための装置といえるでしょう。
用途としてはたとえば、スイッチング電源のループ利得や出力インピーダンスの測定に使われます。
ネットワークアナライザ
ネットワークアナライザは、高周波回路の通過・反射電力の周波数特性を測定するためのものです。
高周波を利用する回路では反射や減衰がよくおこるため、その量を計測するために使われます。近年では5G通信やUSB-Cなど高周波数帯の信号を利用する技術が数多く登場しており、それらを使った製品開発に欠かせない装置です。
ネットワークアナライザには振幅特性のみを測定するスカラネットワークアナライザと、位相特性を同時に測定できるベクトルネットワークアナライザがあります。
スペクトラムモニタ
スペクトラムモニタは長期間にわたって信号を監視するための装置です。
公共防災無線、業務用無線、防衛用電子機器、無許可の無線局の信号探索などで使われます。また、スポーツや音楽のイベントなど人が多く集まる場所で携帯電話の電波が干渉しすぎないよう、監視するためにも利用されています。
24時間365日のモニタリングに利用できるよう、高い信頼性を誇るのが特徴です。
AEアナライザ
AE(アコースティックエミッション)アナライザは、固体が変形または破壊する際に発する音波(弾性波)を解析するためのものです。
製造装置の摩耗や亀裂、故障が起こる際には、通常と違う音波が発せられます。そのような音波を捉えることで早期に異常を検出し、メンテナンスをおこなうことで製造への影響を最小限に抑えられるでしょう。
従来このような異常検出は振動計測などによっておこなわれてきましたが、AEアナライザのほうがより早期に変化を捉えられます。
AEアナライザはAE信号を表示するだけでなく、フーリエ変換や特徴量の抽出が可能な解析装置で、自動的に異常を検出する常時監視の用途にも利用可能です。
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波形解析装置(アナライザ)のメリット
波形解析装置(アナライザ)を利用するメリットを解説します。
目に見えない信号を可視化できる
電気信号や電波、音波は人の生活のなかで広く使われていますが、いずれも人の目には見えないものです。このため、それらの時間的変化などを確認するには波形解析装置(アナライザ)が欠かせません。
可視化することによってその性質をより深く知れる上、製品の設計や改善、不具合の解析に役立てられます。
解析を支援してくれる
波形を単に測定する装置の場合、問題となる事象が表に出ているとは限らず、さらなる解析をおこなわないとならない事象が隠れている可能性があります。
解析機能を備えた波形装置の場合、単に波形を測定した結果を表示するだけでなく、目的に応じてデータを加工し、解析作業の支援が可能です。
たとえばオシロスコープにFFT機能が備わっていれば、一見きれいに見える波形に乗った高調波成分を取り出せるでしょう。
また、特定のプロトコル解析に対応した装置であれば、なぜ通信や伝送がうまくいかないのか自動的に解析し示してくれます。
これにより解析するエンジニアの工数を削減し、生産性の向上につなげられるかもしれません。
ポータブル波形解析装置(アナライザ)が多数登場
一昔前の波形解析装置は大型かつ重量があり、据え置きで使うのが当たり前でした。しかしながら、近年は技術の発達により携帯可能な波形解析装置(アナライザ)が多数登場しています。
持ち運び可能な波形解析装置(アナライザ)なら、動作不良が起きた際に客先に出向き、その場で原因を特定できるかもしれません。また、自社内であっても動かすのに手間がかかる機器の測定を迅速におこなえます。
活用事例
- 屋外での作業にハンドヘルド・アナライザ
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- 広帯域RFスペクトラムを長期間監視にリモートスペクトルモニタ
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広帯域RFスペクトラムの長期間監視にLMR、セルラー、衛星通信、防衛用電子機器などで利用されている周波数帯をカバーした広域スペクトラムのモニタリングを活用しませんか。スペクトラムのクリア、共用スペクラムのモニタリング、衛星地上局モニタリング、重要施設のセキュリティ、干渉モニタリング、規制の執行などの場面で活躍します。
- 製造工程の異常を早期検出、生産設備のメンテナンスにAEアナライザ
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計測器と測定・解析用のソフトウェアを組み合わせAE信号を解析することにより、製造工程の異常を早期検出したり、生産設備のメンテナンスなどの用途に活用したりできます。センサからのAE信号をフィルタリング/増幅してPCへ送り、即座にSTFT(短時間フーリエ変換)表示および特徴量の抽出、波形表示などが可能です。PCに保存された原波形データを解析すれば、対象や環境に適した分析も行えます。
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質問集
- 単体で測定可能なFFTアナライザはありますか
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近年、FFTアナライザはPCベースのものがほとんどで、単体で測定可能なタイプはごくわずかとなってしまっていますが、存在しますのでお気軽にご相談ください。CH数は少ないのですがバッテリ駆動に対応したものもあり、屋外での測定も可能となっています。
- Wi-Fiネットワークのトラブルシューティングを簡単にできませんか
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Wi-Fi電波を測定するUSBタイプのスペクトラムアナライザと専用の解析ソフトを使用することで、工場・オフィスなどの電波状況を解析しネットワーク環境を改善することができます。PCにつないで直感的な操作が行える(USBタイプ)ものから、Android/iOSで測定可能なもの、Wi-Fiトラフィックを可視化できるパケットアナライザーツールまで、豊富なラインナップがあります。
- 屋外で使用できるコンパクトなミリ波スペアナはありませんか
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手のひらサイズの世界最小クラスの超コンパクトなミリ波スペクトラムアナライザがあります。広い周波数帯(300Mhz~87Ghzまで)を数種類の機種をラインナップすることでカバーしています。フィールドでのスタンドアロン測定以外にも、標準のPC解析ソフトウェアを用いた本格的な研究開発でも活用できる機能となっています。
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