テストサンプルを保持するアーム幅が任意に調整できるため、軽量で幅が広い薄型ノートパソコンなどの製品に対して、落下試験を行うことができます。0~442mmまでテストサンプル幅は対応可能です。また、テストサンプルを挟む左右の空圧シリンダ先端には紙やすりが貼られているため、瓶やプラスチック容器といった滑りやすい製品でもしっかりと保持できます。
落下、衝撃、引張・圧縮試験機
落下、衝撃、引張・圧縮試験機とは、素材や製品が落下・衝撃・引張・圧縮といった変化により、どの程度のダメージを受けるのかを調べる試験機のことです。実際に起こり得る変化を試験機を用いて正確に調べておくことで、ユーザに役立つ情報を提供できるだけでなく、より高い耐久性のある素材・製品を製造できるようになります。
落下、衝撃、引張・圧縮試験機とは何か、また、どのような種類があるのかについて解説します。落下、衝撃、引張・圧縮試験を実施するメリットや事例、よくある質問なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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落下、衝撃、引張・圧縮試験機とは
落下、衝撃、引張・圧縮試験機とは、落下や衝撃などの事象を意図的に起こし、試験体がどの程度のダメージを受けるのかを調べる試験機です。調査したい事象にあわせて、次の試験を実施します。
落下試験
素材・製品を製造する過程からユーザ側が利用する過程において、落下はしばしば発生する事象です。とりわけ、スマートフォンやデジタルカメラなどの小型で持ち運ぶことが可能で、なおかつ精密機械を搭載している機器は、落下試験を実施して落下によるダメージを調べておくことが欠かせません。
たとえばモバイル機器であれば、物流時とユーザの利用時に落下が生じると推測されます。一方、テレビや冷蔵庫、エアコンなどの据え置き型の機器であれば利用時に落下が起こることは少ないため、物流時の梱包(包装)状態での落下を想定した試験が必要です。
衝撃試験
衝撃試験とは、素材・製品に対して衝撃を与える程度の加速度を作用させ、期待する性能を維持できるかを調べる試験です。衝撃引張試験や衝撃圧縮試験、衝撃ねじり試験、衝撃曲げ試験などの種類がありますが、工業的に実施されるのは衝撃曲げ試験です。
衝撃曲げ試験では、角棒を試験体に降り下ろし、試験体が吸収するエネルギーを測定します。エネルギー値は試験体の抵抗度合いも示します。
引張・圧縮試験
引張・圧縮試験とは、素材・製品を引っ張る、あるいは圧縮することで、どの程度の変形が見られるか、破裂(破断)するかを調べる試験のことです。強度試験と呼ばれることもあります。加えた力の大きさと変形量から、物体の特性を割り出していきます。
落下、衝撃、引張・圧縮試験機の種類
落下試験、衝撃試験、引張・圧縮試験は、それぞれの試験機を用いて実施されます。一般的な試験機の種類を紹介します。
落下試験機
落下試験は、素材や製品が落下する状況を想定して実施されます。そのため、試験体によって試験の内容が異なり、試験機も異なる点に注意が必要です。一般的なモバイル機器に用いられる試験機を紹介します。
保持落下型試験機
保持落下型試験機とは、試験体を任意の方向に固定し、指定した高さから落下させる試験機です。試験体をペンシリンダで水平に固定し、ガイドロッドに沿って落下させます。
試験機の下部の素材を変えることで、さまざまな状況をシミュレーションできます。一般的な保持落下型試験機の下部には鉄板が採用されていますが、コンクリートや木材、布材などに変えることで、ユーザーの利用環境を再現し、より精密かつ多様な状況を調べることが可能です。
回転ドラム型落下試験機
回転ドラム型落下試験機とは、ドラム内に試験体を入れ、一定速度でドラムを回転させてランダムに落下を発生させる試験機です。落下によるダメージだけでなく、落下を繰り返すことによるダメージを測定できるため、耐久性試験にも応用できることがあります。
包装貨物落下試験機
包装貨物落下試験機とは、物流の途中で素材・製品が落下した場合を高精度で再現し、シミュレーションするための試験機のことです。物流で想定される次のような状況を再現する試験機があります。
- 回転アーム型落下試験機
- フォーク型落下試験機
- 電磁フック型落下試験機
モバイル機器等をダンボールに入れて輸送する途中で、手が滑ったなどの理由でダンボールを落としてしまう可能性があります。ダンボールが手から垂直に落ちるケースもありますが、前方あるいは左右に飛び出すように回転して落下するケースや底からだけでなく角から落下するケースも想定されます。
回転アーム型落下試験機では、ダンボールなどを斜めの状態で固定し、弧を描くように回転しつつ落下する状況を作り出す試験機です。包装後の重量や固定する高さにより、いくつかの種類があります。
フォーク型落下試験機とは、フォークリフトで輸送中に素材・製品が落下したことを想定して試験するための機器です。包装後の試験体をテーブルに乗せ、瞬時にテーブルを移動させることで床面に衝突する状況を作り出します。
電磁フック型落下試験機も同様です。フックに引っ掛けた状態から垂直に落下した状況を作り出すために、マグネットで包装後の試験体の吸着・切り離しを実施します。
衝撃試験機
衝撃試験機は、試験体を固定する方法により次の2つに分けられます。
- アイゾット衝撃試験機
- シャルピー衝撃試験機
アイゾット衝撃試験機
アイゾット衝撃試験機とは、試験体の片側を固定し、固定していない側を振り子式のハンマーで打撃するタイプの試験機です。考案した技術者から名前がつけられています。
シャルピー衝撃試験機
シャルピー衝撃試験機とは、試験体の両側を固定し、背面部分から振り子式のハンマーで打撃するタイプの試験機です。アイゾット衝撃試験機と同じく、考案した技術者から名付けられています。
引張・圧縮試験機
引張・圧縮試験機とは、引張試験や圧縮試験などの強度試験を実施する試験機です。引張・圧縮試験機は種類が多く、試験体や想定する外力によって適切な試験機を選ぶことが求められます。次の要素に注目することで、目的に適した試験機を選んでください。
荷重
引張・圧縮試験においては、通常は定格荷重の20~100%の荷重をかけて測定します。20%以下の荷重をかけるときは、レンジを切り替えるなどにより測定精度を高める必要が生じます。
速度
衝撃を与える速度により、試験体のダメージが変わります。どの程度の速度を想定しているかによって、適切な試験機を選ぶことが必要です。多くの試験機では、指定速度を数値で入力して変更できるようになっています。
変位
試験体の縦弾性係数やばねの特性を調べる場合には、変位にも注目して試験機を選びます。試験機の剛性やロードセルのたわみなどによっても結果に差が生じるため、補正できるものが望ましいと考えられます。
サイクル動作機能
ハンマーで繰り返し衝撃を与えるサイクル動作の機能がついていると、試験がスムーズに進みます。多くの試験機にはサイクル動作機能がついていますが、繰り返す回数が数万単位の場合には、機種によっては対応できないこともあります。
破断検知機能
引張・圧縮試験では、基本的には試験体が破断されるまで実施します。破断されたときに自動的に動作が停止する機能が試験機についていると、試験者がかかりきりで見守る必要がなくなります。また、停止したときのデータ値を自動記録する機能も必要です。
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落下、衝撃、引張・圧縮試験機のメリット
落下試験機や衝撃試験機、引張・圧縮試験機を使うことには次のメリットがあります。
研究開発に活用できる
各試験機を用いることで、落下や衝撃、引張・圧縮による変化を高精度に理解できるようになります。得られた結果は材料や部品、製品の強度や耐久性を高めるための指標となり、研究開発に活かせるようになります。
品質保証を実現できる
ユーザ側の使用中に、製品が落下や衝撃などを受ける可能性があります。さまざまな事象を想定して試験しておくことで、高い品質の製品を提供できるようになるでしょう。
また、試験結果をまとめてホームページやカタログなどで公開すれば、ユーザに使用上の注意点を正確に周知でき、より長期間、より安心して製品を使ってもらえるようになります。
活用事例
- 軽量落下試験機でモバイル機器の落下試験
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- 卓上型引張圧縮試験機で材料試験
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カラータッチパネルでの簡単操作、省スペース設計な卓上型引張圧縮試験機は、お求めやすい価格設定でありながら、上位機種同様の高精度なクロスヘッド及びボールネジを厚くした高耐久性・高剛性を兼備したコストパフォーマンスに優れた材料試験機です。引張試験、曲げ試験、圧縮試験、突き刺し試験など、さまざまな製品・材料の強度試験に対応できる豊富な試験治具類もラインナップしています。
- 恒温恒湿環境下で材料試験
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万能試験機用恒温恒湿槽に疲労試験機や万能試験機(引張・圧縮・曲げ)をセットすると材料試験を恒温恒湿環境下で実現可能です。炭素繊維複合材料(CFRP)や異種材料接合の評価、フレキシブルプリント基板(FPC)や有機ELディスプレイを支える機能フィルムの評価に最適です。
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質問集
- コンパクトな衝撃試験機はありますか?
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試験機サイズの小型化に成功したモデルがあります。プルダウン方式による衝撃発生システムを採用しているモデルで、従来の衝撃試験機と比較して体積は約半分、これまで設置が困難であった狭い箇所でも利用することが可能です。
- 頻度が少ない落下試験は委託できますか?
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試験サンプルを送付し、委託先のエンジニアが試験を代行する受託試験があります。リモートライブシステムを活用することもでき、要望通りの試験を行えます。もちろん、試験場に行き自身で試験を実施することも可能です。
- 引張試験時の試料の破断を詳しく観察したいのですが、どうすればいいですか?
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従来は2段階方法で、試験終了後に試料を設置し拡大観察を行っていました。引張試験拡大観察用マイクロスコープであれば、水平に顕微鏡を設置し、かつ試料から距離を離した状態で拡大観察が行えます。ハイスピードカメラと引張試験機を同期すると、破断の瞬間や変形の過程まで記録することが可能です。
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落下、衝撃、引張・圧縮試験機 メーカー商品一覧
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