掲載日:2020.6.30
工業機器の電源変動試験では、共通規格として IEC 61000-6-2 が有名です。共通規格は、工業界全体を見たときの「代表的」な環境を想定した規格です。一方で、使用目的や使用環境により、機器に対する電気的な影響が異なるのも事実です。
このことから、共通規格とは異なる独自の試験基準を各工業界が設定している場合があります。例えば、半導体製造装置には、業界独自の規格として「SEMI 規格」があります。今回は、「SEMI 規格」の中から EMC についての規格である「SEMI F47」をご紹介します。
「SEMI F47-0706」は、半導体製造装置に要求される電源変動試験(電圧サグイミュニティ)です。近年では、半導体メーカーへ装置を納入する際の必須要求となりつつあります。
・なぜ必要か
半導体製造では、入力側の電源品質に影響を受ける。特に半導体プロセス装置は、電圧降下の影響を受けやすいため。
・試験の目的
半導体産業で使用する装置の電圧降下が発生した際の対応力を確認し、必要最低限の基準を満たしていることを証明する。
・試験対象
・電圧サグイミュニティの試験レベル
・試験を実施するには?
「SEMI F47-0706」の試験を実施する際には、交流安定化電源を使用します。半導体製造装置は、様々な地域での稼働が想定されるため、電圧や周波数を任意に可変できることが求められます。また、100kVA を超える大型の装置も珍しくないため、大容量にも対応可能な交流電源が必要です。
・AC 0V ~最大 310V、周波数 0 ~ 5000Hz で、様々な電源環境を再現可能
・シーケンス機能標準装備で、電圧降下のレベルや時間を自在に設定可能
・標準で最大 144kVA を実現。特注対応で最大 252kVA の超大容量出力も
・設置環境を選ばない、軽量・省スペース